[講座リポート]季節の健康薬膳(荻窪センター)

 荻窪センターの定期講座「季節の健康薬膳」は、「今日の体調はどうですか?」と問診から始まります。病院のような緊張感はなく、学校の保健室ような和やかな雰囲気です。講師は、国際中医師の小池美枝さんです。

 講座を訪ねたのは、2023年7月7日。梅雨は終盤に入り、気温が30度を超えるような日でした。「まだ梅雨は空けていませんが、夏バテしていませんか?」と小池さんが尋ねると、「まだ大丈夫」、「めまいが少し」などと受講者さんが話し始めます。


五行図300-238.jpg 今日の講座のテーマは「夏バテ(枝豆)」。最近は湿気が多い夏になることが多く、ついつい冷たいものを多く食べてしまいがちです。「夏バテはお腹を弱くさせないことが大切。この季節においしい枝豆は万能選手です。ふんだんに食べてください」と小池さんは話します。

 まずは、枝豆を薬膳の考えから解説します。ホワイトボードに五行図(☆の各角に、上から右回りに肝(カン)、心(シン)、脾(ヒ)、肺(ハイ)、腎(ジン)が割り当てられている)を書いてから、解説が始まります。「健脾(ケンピ)」、「補気(ホキ)」、「養血(ヨウケツ)」、「益腎(エキジン)」、「袪(衣編に去)湿(キョシツ)」と難しい言葉が並びますが、図解しながら、身近な症状を挙げて分かりやすく説明していきます。

 説明を聞きながら思い当たったことがあった受講者さんが「そういえば今日、めずらしく不眠でした」と発言します。「『心の血』が足りないのかもしれない。今日の料理を食べたらぐっすり眠れるかもしれませんよ」と小池さんが答えます。「でも枝豆は消化に悪いような気がして...」と、話しやすい講座の雰囲気が、受講者さんが気になっていることをどんどん引き出しているようです。受講者さんの机の上には、薬膳茶が配られていました。今日は「ココロめぐらす~森を散歩しながら、ふーっと深呼吸」の薬膳茶がふるまわれていました。


小池講師300-199.jpg さて、解説の後は、小池さんによる料理のデモンストレーションです。今日は「枝豆入り、炒り豆腐」と「枝豆ともやし、豚挽き肉の水餃子」を作ります。いつものご飯にプラスアルファーでできるメニューです。
 「枝豆入り、炒り豆腐」にはインゲンも入ります。「インゲンは枝豆の長さに合わせて切ると見た目がいいですよ」、「餃子の餡はこんな感じです」と途中経過を小池講師が説明します。餃子の餡を見た受講者さんは、「もっともやしを入れてもいい?」と尋ねます。「もちろん。もやしは意外とエビとの組み合わせもおいしいです。薬膳の考えではエビは体をすごく温めるから、体を冷ますもやしをたっぷり入れるといいですよ」と小池さんが教えてくれます。


2炒り豆腐470-200.jpg 炒り豆腐のしょう油とみりんのやさしい香りが教室に広がりました。水餃子のタレ(酢醤油ココナッツ入り)もぷーんと香ってきました。「お味はいかがですか」と小池さんが尋ねると、炒り豆腐を食べた受講者さんからは「すごくいいですね。白ゴマの香りが特にいい」。水餃子を食べた受講者さんからは「何より見た目がいい。枝豆のグリーンがきれい」と感想が寄せられました。

 受講者さんに「講座の料理は、おうちでも作りますか?」と尋ねると、「作る、作る!」、「簡単にできる」、「家族に評判がいいと、友人にもすすめている」と楽しそうに教えてくれました。
 そういえば、今日、教室に入るなり「味のついていない『もずく』はどこに売っている? 私、探せなくて」、「あの店にあったわよ」と受講者さん同士で会話をしていました。前回のテーマ食材「トウモロコシ」の「もずくのコールスロー」を家で作るための会話だったようです。小池さんは、「よみうりカルチャーは駅ビルに入っているセンターが多いので、講座の後、下で買って帰りますと言って帰る受講者さんが多いんですよ」と教えてくれました。

 小池さんは「夏バテに枝豆はとってもいい食材なので、塩ゆでして食べたり、時には一工夫して料理に使ってください」と話して、今日の講座は終わりました。次回のテーマは「不眠(ゴーヤ)」だそうです。

(2023年7月7日)

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■よみうりカルチャー荻窪( 荻窪駅ビル「ルミネ」6階)
季節の健康薬膳
第1金曜 10:30~12:30

■よみうりカルチャー恵比寿(恵比寿駅ビル「アトレ」7階)
季節の不調を緩和する薬膳料理
第3水曜 13:30~15:30

■よみうりカルチャー横浜( 横浜新都市ビル(そごう)9階[横浜駅東口])
季節の薬膳発酵スープ
第4火曜 10:30~12:30