情報誌「よみカル」から、特集した講座記事を紹介します。

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戸塚刺しゅう

世界に一つの作品を

　「それステキね」「私もやろうかしら」楽しそうにおしゃべりをしながら、チクチクと手を動かし続ける皆さん。手元の作品を見せていただくと、刺しゅうのバラエティーの豊かさにびっくりします。ふっくらとして陰影のある花の刺しゅうはかれんです。布地の織糸を抜いてかがる透かし模様は、精細さに目を見張ります。整然と並べられた小さな柄は、まるで小紋のようでかわいい。絵画のような大作を刺している方もいます。

　「フリー刺しゅう、ハーダンガー、レースワーク......、様々な技法やステッチを組み合わせて、日本人の感性に合った深みのある作品を作るのが、戸塚刺しゅうの特徴です。カラフルな色使いも魅力ですよ」

　講師の佐野千鶴子さんは、皆さんの図案や工程を見ながら、ステッチ使いや色選びをアドバイスします。

　「私の見本や提案と同じでなくてもいいのです。ご自分の感性で世界に一つの作品を作ってほしいと思っています」

作る楽しさ

　「母親が生前に自作した刺しゅうのバッグが大好きで、自分も挑戦したくなって受講しました」と生徒さん。小作品を３作品ほど練習した後、佐野さんに「これを作りたい」と母のバッグを見せて相談しました。「先生が新たに図案を起こしてくださいました。時間はかかったけれど、でき上がった時はとてもうれしかったです。家族にも大好評でした」

　ブックカバーを作っている方は、「お世話になったカナダ人の友人へのプレゼントです。ご自宅のあるプリンス・エドワード島をモチーフに刺しゅうしました。喜んでもらえるかな？」と楽しそうに話してくださいます。

　結婚祝いのエプロンにあしらわれた戸塚刺しゅうに魅せられて受講された方も。「まるで織物のような糸使いがステキでした。今では自分がプレゼントする立場になれました」

　刺しゅうは、時間と根気が必要な手芸ですが、「一針一針刺し進めていく時間こそが楽しい」と皆さんおっしゃいます。でき上がりを想像しながら、家族はどんな反応をしてくれるだろうか、友人は喜んでくれるかしら、と思いを馳せて手にする針と糸。皆さん、本当に刺しゅうが大好きなのが伝わってきます。

※「よみカル」2018冬掲載　恵比寿センター「戸塚刺しゅう」佐野千鶴子講師

佐野千鶴子講師の講座　※講座名をクリックすると講座詳細にリンクします

■よみうりカルチャー恵比寿（03-3473-5005）アトレ恵比寿７階
「戸塚刺しゅう」第２・４水曜10:30～12:30

戸塚刺しゅう講座　※講座名をクリックすると講座詳細にリンクします

■よみうりカルチャー荻窪（03-3392-8891）ルミネ荻窪６階
「やさしく始める戸塚刺しゅう」戸塚刺しゅう協会師範 篠原 律子　第４木曜12:30～14:30