かわいいミニチュアフード 日本ミニチュアフード協会認定
極小の世界
指先ほどのサイズのお重に卵焼き、ポテトサラダ、煮しめ、赤飯などの料理がきゅっと詰まっています。オムライスの中にはちゃんとケチャップライスが入っています。ラーメンは艶やかなスープの質感がおいしそう。
「何時間でも見ていられるでしょ」と笑顔で語るのは、日本ミニチュアフード協会の代表・野津礼奈講師。小学生の頃からちっちゃなものが好きで、お小遣いを貯めてミニチュアフードのストラップなどを買い集めてきたそう。会社勤めをしていた時に自分でも作れることを知り、スイーツ作りに挑戦。「自己流でしたが、すごくかわいいお菓子ができました。作る過程も楽しくて。この魅力を誰かと共有したい、仲間が集える場所を作りたいと思ったのが、協会設立のきっかけです」
細かい作業が好き
講座の最初の課題はパンケーキ。「少し形がデコボコしても、本物っぽい作品ができます」。パンケーキ作りでミニチュアフードの面白さに気付いたら、次はラーメン。「麺や具の細かな加工、スープの透明感など、ぐっとレベルが上がります。その分、仕上がりの完成度は高くなり、達成感が味わえます」。その後、パン、松花堂弁当とレベルアップしていきます。
サイズに決まりはなく、アレンジも自由です。「人によって色や形に違いが出てくるのも、楽しいことです」と矢内いづみ講師。「あたふたすると楽しくないですから、課題は詰め込まないようにしています。それぞれのペースで作品を作ってほしいですね」
この日、受講の皆さんが作っていたのは松花堂弁当。盛り付ける料理を一つひとつ作っていきます。主な素材は樹脂粘土です。長さ1センチにも満たない棒状の粘土を赤く彩色し、フレーク状に加工した粘土の衣を付ければ、カリッとおいしそうなエビの天ぷらが完成!
息が止まるような細かい作業ですが、「この時間が好き」と受講者さん。「気が付くと2、3時間たっていることも度々です」「作業に没頭することでストレス発散になります。作る時間がなかったり、途中でやめたりすることのほうがストレス」と笑顔で話します。
自分の好きなものを一から作っていく楽しさ。細かい部分までリアルに再現する面白さ。そして何よりも "小さなかわいさ" が夢中になる理由のようです。
「その楽しさは、見るだけではきっとわからないと思います。ぜひ、多くの人にミニチュアフード作りを体験してほしいです」と野津さん。
※「よみカル」2019春掲載 「日本ミニチュアフード協会認定 かわいいミニチュアフード」
野津礼奈講師と矢内いづみ講師
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