[講座リポート]ウズベキスタン共和国大使館共催講座「シルクロードとウズベキスタンの仏教遺跡」
2021年10月9日(土)、読売新聞東京本社3階「新聞教室」で、ウズベキスタン共和国大使館共催講座「シルクロードとウズベキスタンの仏教遺跡」を開催しました。
共催:ウズベキスタン共和国大使館 後援:日本ウズベキスタン協会
ムクシンクジャ・アブドゥラフモノフ大使は、「太陽の国ウズベキスタン、豊かな歴史、文明の十字路のウズベキスタンに興味を持っていただき、ありがとうございます。ウズベキスタンの友達になってほしいです」と滑らかな日本語で話してくださいました。
大使は続けて、通訳を交えてウズベキスタンと日本の関わりにふれ、「シルクロードの歴史にさかのぼり、正倉院の宝物にその様子が感じられます」と話されました。また、ウズベキスタンでは「客は父のようにもてなす」といい日本の「おもてなし」と同じように、相手を大切にする文化がありますと教えてくださいました。
続いて、大使館の職員の方がウズベキスタンを紹介してくださいました。フォトジェニックな国という説明の通り、動画や写真で紹介されたものは全て色鮮やかで、会場の皆さんもスクリーンに見入っていました。
ウズベキスタンのあたりは年間300日くらいは晴れることから「太陽の国」といわれているそうです。歴史や文化はもちろんのこと、四季の自然も大変美しく、職員の方のおすすめの季節は「秋と春」とのこと。また、地下宮殿のようなタシケントの地下鉄の駅も「必見です」と話されました。
この後、立正大学の安田治樹教授が、テルメズの古代仏教遺跡とその遺物をテーマに講演してくださいました。安田教授は、考古学者の故加藤九祚氏と共に、立正大学ウズベキスタン学術調査隊の隊長を務められた方です。
テルメズは、ウズベキスタンの南部、アフガニスタンとの国境にあるスルハンダリヤ州の州都です。紀元2世紀クシャン朝時代に隆盛を極め、貴重な仏教遺跡が現存します。西遊記の三蔵法師のモデルとなった唐僧の玄奘は、テルメズから仏教文化が栄えていたアフガニスタンに入りました。
安田さんは、まず地図で仏教遺跡の分布と地理的状況を説明しました。そして出土品の壁画を取り上げ、「目の表現に注目してください」とポイントを解説。目を大きく見開き、隈取(くまどり)のように目の縁がなぞられ、上の方を凝視する目つきに着目し、仏教がどのように伝わり広がっていったかを考察しました。会場の皆さんも熱心にペンを走らせていました。
会場では、ウズベキスタンの手工芸品も販売され、少しだけウズベキスタンの旅行気分を味わえました。ウズベキスタンまでは、成田空港から直行便で8時間ほどだそうです。落ち着いたら訪ねてみたいですね。