[おうちで学びたいこと探そう]ペン彩画~線を生かして爽やかに描く~
報誌「よみカル」から、特集した講座記事を紹介します。
ペン彩画
線の面白さ
細いペンで描いた線を生かし、水彩絵の具で彩色する「ペン彩画」。ペンの繊細な線を見せることが、一般的な水彩画との違い。透明感のある爽やかさが特徴です。秋山信夫講師が、30年ほど前にイタリアで見た画家の絵をヒントに、友人の水彩スケッチ画家と共に体系化した絵の具です。
「絵の描写のスタートは線です。そのペンで描いた線の面白さを伝えたいと思ってスケッチ画に取り入れました」
この日の野外講座は、横浜みなとみらいでのスケッチ。思い思いのテーマを見つけて画帳を広げる受講者さん。行き交う人々の喧噪(けんそう)も、興味深げにのぞき込む視線も気にせず、スケッチに集中する皆さん。「外に出て、好きな絵に没頭できることが楽しい」と野外スケッチの面白さを語ります。
写すのではなく創作する
生徒さんたちの手元を見ると、まず鉛筆で大まかなレイアウトを作っています。「ステキ」と思った風景を見ながら、何を主体にして描くか、時間はいつのイメージか、どんな色を選ぶか、光と影の表現は... 自分が伝えたいメッセージを決め、対象を絞り込んでいく作業です。同時に建物を右に左に寄せてみたり、並木の数を減らしたりしながら、構図を考えていきます。
「景色を写すのではなく、自分というフィルターを通して創作するのです。景色は参考にすぎません」と秋山講師は指導しますが、受講者さんたちは「そこが難しい」と何度も線を入れ直します。
景色と対話しながら描く
スケッチを重ねるほどに観察眼が養われると言います。
「今までは、見ているつもりで見ていなかったのですね。絵を描くようになって、なぜそこに影ができるのか...... とよく見るようになりました」「対象物の良さや細部にも気が付くようになりました」と受講者さんは口々に語ります。
「野外スケッチの楽しさは、光や風を肌で感じて、景色と対話しながら描くことです」(秋山講師)
色は淡いところや明るく広く、遠いところから塗っていきます。光と影が演出する臨場感、自分と景色の間にある空気感を表現するように。それが「ペン彩画」の爽やかさのポイントです。
※「よみカル」2018夏掲載 「ペン彩画」秋山信夫 講師
秋山信夫講師の講座の紹介
※講座名をクリックすると講座詳細にリンクします
■よみうりカルチャー自由が丘(03-3870-2061)自由が丘駅 魚菜ビル3階
「はじめてのペン彩画」第2火曜 13:30~15:45