[おうちで学びたいこと探そう]多摩川を遡る ~景勝の御岳渓谷を歩く~
情報誌「よみカル」から、特集した講座記事を紹介します。
多摩川を遡る
発見の連続
「春の新緑から秋の紅葉、季節ごとに咲く花々、鳥や虫の声......、奥多摩は、何度通っても新しい発見があります」と津波克明さん。
ハイキングの出発地はJR青梅線・石神前駅。この日は多摩川沿いの遊歩道を古里駅まで約13キロ歩く。御岳渓谷とも呼ばれる景勝地だ。ぽつぽつと降る雨も皆さんにとっては自然の演出の一つなのか、楽しげに出発した。
川面には靄が立ち込めていた。「空気と水の温度差で発生します。風がなく湿度の高い今朝ならではの風景ですね」と津波さんが説明する。遊歩道のあちらこちらに赤い実が色づいている。「紙の原料となるコウゾの実です。こんなに多いとは私も知りませんでした」。マタタビが葉を白く変化させる理由、アブラチャンの実のすがすがしい香り、自然の不思議さや面白さを次々と語る。
突然、「梅雨は誰のためにあるか知っている?」と津波さん。「植物のためかな」と答えると、「ツーユー。あなたのためです」とおやしギャグが。「先生、今日は調子がいいね! 」すかさず受講の皆さんが突っ込む。発見あり、笑いありのハイキングは飽きることがない。
歩いて学んで健康に
「あの声はホトトギスだね。ほかの鳥の巣に卵を産んで育てさせる」「コッチハカジカガエルの鳴き声。きれいな声でしょ」。皆さんも負けじと教えてくれる。「あっ、ハンゲショウが咲いてる!」と植物に明るい方も。
「植物、昆虫、鳥、それぞれ詳しい人がいます。得意分野はその人に説明していただく。皆で知識を共有していくのも楽しみ。"歩くことで健康になろう"が津波さんのモットーだが、それ以上に何かを学びたいという皆さんが多いようだ。
自然ばかりではない。古地図や手作りマップを見せながら史跡を解説したり、地形図をもとに地図読みの勉強をしたり、寺社や句碑(くひ)を訪ねて歴史と文化に触れたり。みやげ物店や無人野菜スタンドに立ち寄るのは女性に好評だ。
およそ3時間半でゴールの古里駅に。あっという間に感じた。「緑や水の風景を見ながらのハイキングは疲れないものです。楽しい時間はすぐに過ぎるということでしょう(笑)」。皆さんもまだまだ余裕がありそうだ。いつしか雨は止み、青空がのぞいていた。
多摩川を河口から遡ってきた本講座も終盤。9月は奥多摩駅から「奥多摩むかし道」をたどり奥多摩湖まで。10月からは再び河口から遡る。
※「よみカル」2017秋掲載 「多摩川を遡る」津波克明 講師
津波克明講師の講座の紹介
※講座名をクリックすると講座詳細にリンクします
■よみうりカルチャー荻窪(03-3392-8891)荻窪ルミネ6階
「多摩・武蔵野を歩く(火)」第1火曜 9:00~13:00
「多摩・武蔵野を歩く(土)」第1土曜 9:00~13:00
「地図読みと里道・里山ハイキング」第3火曜 9:00~13:00
■よみうりカルチャー八王子(042-622-6211)セレオ八王子北館10階
「おもいっきり多摩・相模発見ハイキング」第2水曜 9:00~13:00
■よみうりカルチャー川越(049-247-5000)川越駅 第一コーポレーションビル5階
「多摩・武蔵野を歩く」第1土曜 9:00~13:00
■よみうりカルチャー川口(048-255-3085)川口駅 リブレ川口2番街4階
「埼玉発見ウォーク(秩父・奥武蔵・比企丘陵)」第3金曜日 09:30~13:30