[おうちで学びたいこと探そう]川柳 ―日常の小さな感動にフォーカスする―
情報誌「よみカル」から、特集した講座記事を紹介します。
川柳
入りやすくて奥が深い
何気ない日常の、ささやかな出来事に目を付けて五七五に仕立てる。
平和ですあくびもうつる夫婦です 正田悠子
「ある、ある」「わかる!」と、共感を誘う受講者さんの句です。川柳の魅力は、この"言い得て妙"にあると江畑講師は語ります。
明日手術一人見ている遠花火 山本万作
花火を題材にしつつ、手術を前にした不安感や寂しさがにじみ出てきます。これら二つの句のように、川柳は人の心、人と人の関係を詠みます。自然を題材にする俳句との違いです」
俳句とのもう一つの違いは、季語や切れ字を必要とせず、話し言葉を使って自由に詠めること。約束がないので、自分にも作れそうと思う反面、自分の言葉だけで心情を深めなければならない難しさがあります。川柳が、「入りやすくて奥が深い」と言われる由縁です。
「ダジャレやオヤジギャグの延長と思って気軽に受講したけれど、講座で"川柳は文芸"と言われ、頭をガツンとやられた思いがした」と生徒さん。じわじわ湧いてくるような味のあるユーモア、何度聞いてもクスっと笑ってしまう描写は、川柳が単なる言葉遊びではなく、人間のおかしさの本質を突いているからです。
個性のひらめき
心動かされたことにフォーカスし、「感動を再構成する」のが俳句。
息子四人いつのまにやら五十才 福田静世
「 "いつのまにやら" に実感が込められていますね。これが『息子四人みんな五十才になりました』では台無しです」
感じたまま文字にしたのでは説明文。より良い表現になるように言葉を選んだり、前後を入れ替えたり、試行錯誤するプロセスも楽しんでほしいと江畑講師。講座でも句の背景を詳しく聞き、生徒さんが「本当に言いたかったこと」を引き出します。
「教室で学べばこそです。独学では成長できない」と生徒さんが言えば、「60歳を過ぎても熱心かつ楽しく勉強されています。まさに生涯学習です。最近、それぞれの個性がきらめいてきた」と江畑講師はほほ笑みます。
「感情を豊かにすれば、川柳の表現も豊かになります。それは、心の財産を増やしていくことだと思います。そういう学びでありたいですね」
人の世にお仲間という宝物 江畑哲男
※「よみカル」2018夏掲載 「川柳」江畑哲男 講師
江畑哲男講師の講座の紹介
※講座名をクリックすると講座詳細にリンクします
■よみうりカルチャー柏(04-7164-3151)柏駅 スカイプラザ8階
「おもしろ川柳教室」第1土曜 10:30~12:00