[おうちで学びたいこと探そう]ハワイアンミュージック ― 明るく歌って楽しく演奏
情報誌「よみカル」から、特集した講座記事を紹介します。
ハワイアンミュージック
ハワイアンミュージックはどのような音楽ですか?
(修)ハワイの民俗信仰の中から生まれた音楽です。特に古典と呼ばれるものは、打楽器のメロディに乗せて神に捧げる祈りを歌い、フラを踊ります。日本の神楽に近いですね。その後、ギターが持ち込まれて現代的なハワイアンミュージックが誕生しました。
(ドロシー)歌は、恋の歌やハワイの美しい風景を賛美したものが多いですね。例えば「Pua 'Olena(オレナの花)」という曲は、恋人を花に例えて「側に来てよく見せて、その美しい表情を」と、いとしい気持ちを歌います。恋愛の女々しさや悲しさはなくて、ポジティブなイメージです。自然を大切にするハワイの精神性も感じますね。
そのハワイアンを日本に紹介したのが、お父様であるバッキー白片さんですね。
(修)ホノルル生まれの父が日本に帰化し、スチールギターを効かせたハワイアンを初めて紹介しました。ジャズと癒合したアドリブ感のある音楽は、ジャパニーズ・ハワイアンとして人気になりました。当時のヒット曲に「南国の夜」や父が作曲してディック・ミネが歌った「ホノルル娘」があります。
どんなお父様でしたか?
(修)私は中学生まで楽器を手にしなかったのですが、ある日友人に「お前は弾けないのか」と言われたのがカチンときて、ウクレレを始めました。でも父は、月に108回も仕事をするような忙しさでしたから、「腕で弾くな、スナップで弾け!」と言うだけ。具体的な技術を教わったことはありません。私はレコードを聴きながら、こういうリズムかな... と練習していたわけです。大学を卒業した時「お前がベースをやれ」と突然言われてバンドに参加することに。弾いたことのないベースを猛レッスンして、15日後には本番の舞台に立っていました。
ステージではどのような演奏を心がけていますか?
(ドロシー)イントロが流れると、その歌のイメージを心に描きます。恋の歌なら主人公の気持ちになり、自然の美しさを歌う曲はハワイの風景を思い出して明るいイメージを作ります。気持ちが入っていると、それはメンバーたちにも伝わるのですね。演奏が乗ってくるのを感じます。音と歌、そしてお客様の雰囲気と一体になった時、とても良いステージだなと感じますね。
(修)私の父もそうでしたが、お客様を楽しませるのがミュージシャンだと思っています。自分だけが楽しんでいてはプロではない。お客様は演奏や会場の雰囲気を楽しみにしています。その期待に応えるために、選曲はもちろん衣装もトークも気を使います。特にディナーショーは総合力。見て聞いて感じて楽しんでいただきたいと思っています。
カルチャー講座で心がけていることは?
(ドロシー)歌詞を伝えることが歌です。だから、「言葉を大切に」と受講者には言っています。たとえハワイ語でも、言葉を理解してそこに気持ちを込めて歌うと必ず伝わります。
(修)「ちょっとくらい間違ってもいいから、大きな音で楽しく弾こう」と言っていますね。間違うことを怖がって小さくコソッと弾いても面白くないでしょう。私も父に「パワーを出せ!」とよく言われました。大きな音を出せば、楽しくなるものです。
受講者の有志でハワイ旅行に行かれるそうですね。
(ドロシー)ハワイの歴史や文化を勉強することが目的です。現地のミュージシャンを呼んで演奏をお願いしているのですが、最初、彼らは日本の観光客向けに演奏する気楽な気持ちでいます。ところが私たちが先に舞台に立ち、一緒に歌う受講者たちを見て、「ヤバいぞ!この人たちはハワイアンを知っているぞ!」と急に本気になる(笑)。「早く俺たちに本物のハワイアンを演奏させろ」と気合が入ってくるんですね。「そんな、あなたたちの演奏を聴きたいから来ているのですよ」と言うと感激してくれる。そして、皆で演奏して歌って踊って・・・とっても楽しいパーティになります。
(修)昨年の10月には、ホノルルのアラモアナセンターのステージを借りて、受講者たちと歌とウクレレ演奏のショーを行いました。日本人が演奏するのは初めてだったそうですが、センターの運営者は、「日本人がここまでできるとは思わなかった。ハワイ語もパーフェクトだった」と感心していました。とても素晴らしい経験ができたと思います。
(ドロシー)昨年の1月には、横浜・関内のホールを借りて、レビューを開催しました。演奏と歌とフラを融合させたショーです。入場料をいただくので、プロとしてお客様を楽しませなければなりません。40代から80代までの受講者の皆が、1年かけて練習したことの集大成でした。満席のお客様から絶賛の拍手をいただき、舞台の皆さんはとても良い表情をしていましたね。私も感激して涙が出たほどです。
ハワイアン上達のコツは?
(修・ドロシー)それは、ハワイを好きになることです!
※「よみカル」2015秋掲載 「ハワイアンミュージック」白石 修 ドロシー白片 講師
白片修講師とドロシー白片講師の講座の紹介
※講座名をクリックすると講座詳細にリンクします
■よみうりカルチャー横浜(045-465-2010)横浜新都市ビル(そごう)9階
白片修講師「エンジョイ ハワイアン」第1・3・5木曜 13:00~14:30
ドロシー白片講師「ハワイアンを唄いましょう」第3木曜 10:30~12:30
ドロシー白片講師「ハワイアンボーカル」第3木曜 10:30~12:30