Lesson24 サクラのスナップ写真の撮り方

 美しいサクラをロングや中ロングで撮影するのは簡単ですが、あえてアップでスナップ写真を狙ってみましょう。当然望遠レンズを駆使して決定的瞬間を撮影するには、被写体の行動を予想してシャッターを切ります。

【写真A】

 新宿御苑には、外国人の観光客がたくさん来ていて、中国語や英語が飛び交っています。70ミリ~400ミリの望遠レンズを装着してシャッター優先モードで1000分の1にセットし、動きの早いメジロを撮影中、外国人のかわいい女性が花に近き、サクラの枝を顔の前に持ってきて、うっとりとした目で匂いを嗅いでいる様子でした。

 一瞬の出来事でしたが、7枚撮影することができました。最初は、私が撮影しているのに気がつきませんでしたが、シャッターの音で私の方を見たので「サンキュー」と言うと、笑って友達の方へ歩いて行きました。

 最近、人権問題で人物を撮影するのをためらうカメラマンが多いようですが、最初から「撮らせて下さい」と言うと緊張した表情の写真かVサインのお決まりのポーズの写真しか撮れませんので、まず、シャッターを切って良いシャッターチャンスの写真が撮れたら挨拶をしたら良いと思います。

 もし、コンテストに出せるような写真が撮れたら、出して良いのか確認も忘れずに。

 

【写真B】

 サクラの花には、メジロが蜜を吸いに来ている風景をよく見ることが出来ます。メジロは小さい上に動きが早いので非常に苦労する被写体です。天候にもよりますが、シャッタースピードを1000分の1にして、絞りをF11にするためにISO感度を2000ぐらいに上げましょう。

 たいてい空を向いて撮影するので、逆光線になってメジロが黒くなってしまうので、露出補正をします。逆光線の強さにもよりますが、+1ぐらいの補正が必要です。

 メジロは、なにせ動きが早いのでズーミングと早めのシャッターを根気良く切ることがポイントです。

 


◆読売新聞社写真部OB   今野 洋一