Lesson21 新幹線と競馬の流し撮り

流し撮りは、新幹線や競走馬をスローシャッターで半押しにして、ファインダーの中央に入れ被写体の速さに合わせ、自分のまん前に来たときにシャッターを押します。シャッタースピードは、被写体の速さとカメラの距離によりますが、最初は50分の1ぐらいから始めてください。

 

流し撮りで大切なのは、被写体のバックがきれいに流れる場所を探すこと。超望遠レンズを使うときは、三脚や一脚を使用しますが、手持ちで流したほうが、スムーズに流れます。

 

最初は、うまく流れなくて難しいと思いますが、何度もやっているうちに納得のいく写真が撮れるようになります。コツは、肩に力を入れないで、リズム良くスムーズに被写体を追ってください。

 

【写真A】
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 夕暮れの大都会を行く新幹線をシオサイトの日本テレビ脇の通路から撮影しました。夜景の撮影は、空がインク色に染まる日没前の15分が勝負です。日没後は真っ黒な被写体になり、美しいラインが見えなくなります。

 新幹線は、都内を走行する時は、あまりスピードを出さないので、シャッタースピードは、20分の1で手持ちで撮りました。ISOは、2000にし、ホワイトバランスは晴天にしました。

 
【写真B】
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競馬の写真は、東京競馬場の4コーナーを回った位置で撮りました。競馬場は、G1レースなどがある時は、混雑してよい撮影場所が取れないので、そういう日は避けます。また、メインレースがある後半は避け、1レースから狙います。馬場も芝とダートがありますが、芝の方が外側で撮りやすく、緑のじゅうたんの上を走っているようで美しい写真になります。

ISOは100で、シャッタースピードは40分の1にし、ホワイトバランスは晴天で撮影しました。

撮影のコツは、4コーナーを回るときからシャッターを半押しにし、馬群がデットヒートしている所を狙いシャッターを切ります。

 

◆講師 読売新聞社写真部OB  今野 洋一