「なぜ自然は地中の根にあれほど天上的な色を宿すことになったのであろう。」　志村ふくみ『私の小裂たち』より
　染織家・志村ふくみの芸術精神を継承するアトリエシムラ代表の志村昌司による、茜のストール染めと染織にまつわる思想や文化のお話がセットになった講座です。
　根から色をいただく茜は、奈良時代から赤系の染料として重宝され、人々に親しまれてきた染料です。染液の色や香り、感触、音、温かさ・・・染めている間、植物はさまざまな形でわたしたちに語りかけてきます。ゆったりと五感を開き、全身で植物と対話しながら茜染めをお楽しみください。草木染めの思想や、「しむらのいろ」とよばれる透明感のある色彩についてもお話します。
　「母性の色」と呼ばれる茜で染めを体験し、志村ふくみの言葉の世界を学びましょう。


　【講師プロフィール】京都市生まれ。芸術学校アルスシムラ特別講師。京都大学法学研究科博士課程修了。2018年、2021年の二度にわたって新作能「沖宮」（石牟礼道子原作）プロデュース2022年、オリジナル手織機hatariでグッドデザイン賞受賞。著書に『草木の聲』（京都新聞出版センター）、『夢もまた青し』（河出書房新社）他、多数。