江戸中期（18世紀）に京で活躍した天才画家・伊藤若冲の人生と代表作、人柄を紹介し、その魅力に迫ります。
伊藤若冲といえば、精緻で華やかな着色画が有名ですが、一方で、生涯を通して多くのモチーフをユーモラスに描いた水墨画や、黒の背景が美しくデザイン性の高い拓版画や着色花鳥版画、千体以上の石仏で構成された仏伝テーマパークの造営など、その活躍は絵にとどまらず、生涯をとおして、独創的で斬新な作品を生み出しました。
京に三代続く青物問屋の長男に生まれ、40歳で隠居するまで商家の四代目主人として生きた若冲は、同時代の画家に比べると遅い画家デビューでしたが、画業に専念すると次々と大作を手掛け、活躍の場を広げます。そして85歳でなくなるまで作画への情熱は衰えることはありませんでした。
没220年以上を経た現在も、老若男女を問わず多くの人を惹きつける若冲作品の魅力を、若冲誕生以前の江戸絵画の潮流や、若冲の同時代に活躍した画家たちも紹介しながら、ひも解いてゆきます。

【講師経歴】
若冲研究家。若冲コレクター。株式会社景和 代表。出版社の編集者、IT企業のコンテンツプロデューサーを経て、株式会社景和を設立。社名の「景和」は伊藤若冲の字（あざな）に由来。国内外の展覧会への出品、講演・執筆活動、イベントなどを通して、若冲をはじめとする江戸絵画の魅力を伝えている。
著書（共著）：『学習まんが 世界の伝記NEXT伊藤若冲』（集英社）、『若冲画賛』（朝日新聞出版）ほか。