<講座紹介>疫病退散!?妖怪「アマビエ」のはなし

 今、世の中を席巻している妖怪「アマビエ」。人魚のような鳥のような変わった容姿をもつ「アマビエ」の正体はいかに?

「妖怪学入門」講師の多田克己先生にアマビエ、また人々の生活の傍らで不思議なチカラをもたらしてきた妖怪たちについてお話を伺いました。20200517145932-0001.jpg

疫病退散に御利益があるということで話題の「アマビエ」ってどんな妖怪ですか?

 江戸時代後期、1846年(弘化3年)4月中旬に、肥後国(現在の熊本県)熊本御領分真字郡の海岸に出現した三本足の化け物。猿のような声で6年間の諸国の豊作と流行病による死者続出を予言し、続いて自分の姿を描き写す者には害はない、と告げて海中に戻ったといいます。1858年(安政5年)から1862年(文久2年)にかけて、全国的にコロリ(コレラ)が大流行し、死者は数万人に及んだが、この流行時に三本足のアマビエの姿の摺り物が市街地を中心に、たくさん販売されたといいます。なお、アマビエの名は「アマビコ(アマ彦)」の誤字に由来するとされています。            

「妖怪」って人に御利益をもたらしたりするの?アマビエの他にも人々の力になってくれる妖怪はいますか?

 人に御利益をもたらす稲荷神の眷属(神使)は霊狐とされますが、その一方で、霊狐が人に憑いて害したり、化かすことで妖怪視されたりもします。すなわち、神仏もしくは神使と妖怪との区別は、人に御利益をもたらすか、もたらさないかの違いと考えることもできます。アマビエは異形の化け物に見えることから妖怪視されていますが、疫病退散の信仰の対象ですから、むしろ神または神使的存在と言えるでしょう。他に妖怪の類とされながら、人に御利益をもたらす神の眷属とされるももに、天狗、鬼、河童、魑魅(すだま)、山姥、狐狸などの一部が信仰対象になっています。

アマビエと同じように多田先生が頼りになると思う妖怪はいますか?

 山登りの安全や火災除けのために、天狗の絵姿のお札を何種類か持っています。

 疫病退散に御利益があるとされる予言獣は、他に神社姫、姫魚、白沢(はくたん)、くたべ、件(くだん)などはあります。

 これもアマビエと同じく再来してほしいです。

多田先生、ありがとうございました! アマビエのイラストは多田先生作です。

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