よみうりカルチャーの情報誌「よみカル」の連載「カーテンコール」でおなじみの元読売新聞専門委員の河村常雄さんが、「家元探訪――未来を見据える十人――」を出版研究センターから出版しました。
2007年7月から読売新聞のホームページ「YOMIURI ONLINE」に連載されたインタビュー記事「家元探訪」を加筆、修正した著書で、能楽や日本舞踊、邦楽などを支える家元たちへの丁寧なインタビューが盛り込まれています。
紹介されているのは、日本舞踊の西川扇藏さん、花柳壽輔さん、能の観世清和さん、歌舞伎の坂東三津五郎さん、新内の新内仲三郎さん、女優で舞踊家の藤間紫(初代)さん、日本舞踊の吾妻徳彌さん、歌舞伎の市川團十郎さん、俳優で舞踊家の林与一さん、女優で舞踊家の朝丘雪路さん――の10人。
その中の、朝丘さんのインタビューから一コマ……。
朝丘さんは旭日小綬章を受賞し、その後の活動についての質問に、「難しいことを背伸びしてやりたくはない。また同じことをしているな、と言われてもいい。たとえば踊りですと、同じ振りを抱いては放し、抱いては放し、繰り返し踊ります。振りは自分の子供のような物です」と答えています。その行間から、家元たちのひたむきな姿勢、凄みが浮かび上がります。
河村さんは1973年に読売新聞社入社し、芸能部(現・文化部)で演劇を担当。文化庁芸術祭、芸術選奨、鶴屋南北戯曲賞などの選考委員や放送大学非常勤講師を歴任。「かぶき立ち見席」(演劇出版刊)の著書があります。
「家元探訪」は全296ページ。2,000円(税別)。